こんばんは!

まだしっかり声が鳴っていない方が、頑張って大きな声を出そうとしたり、ダイナミックに歌おうと思うと、つい喉が痛くなったり疲れたりしてしまいますよね。

 

声がしっかり鳴っていないと、余計に沢山息を使って声を大きくしようとするので、今度はクラクラ立ちくらみがしてきたり・・・と、とても効率が悪いです。

 

少ないエネルギー(呼気)で、響のある省エネな声を作るにはどうしたら良いのか、今日は説明して行きたいと思います。

 

 

響のあるいい声を作る公式

少ない呼気で響のあるいい声をつくるには、実は決まった公式があります。

 

 

 

声帯の振動効率✖️呼気圧(息の圧力)✖️共鳴効率

 

これだけを見てもよくわからないと思いますので、1つずつ説明して行きますね。

 

・声帯の振動効率

声帯とは、喉頭という器官の中に入っている小さな2枚のヒダの事をさします。このヒダを息で震わせる事によって振動し、声の元となる喉頭原音が生まれます。

振動効率とは、この2枚のヒダがキチンと閉鎖しているのかどうか。振動し易い状態にあるのかどうか。を指します。喉の力みなどによって、声帯に余分な力が入っていると、震わせにくくなるので、振動効率が悪い。という事になります。

 

・呼気圧

呼気圧とは、声帯にかかる息の量=圧力のことです。肺から押し出された息に勢いがあったとしても、吐く息の圧力とは声帯が閉鎖していないと作れません。声帯が半開き状態で隙間が空いていると、そこから息が漏れて声帯にかかる息の圧力は減る事になります。

 

すなわち、呼気圧とは声帯の閉鎖度合いに比例します。

 

・共鳴効率

共鳴効率とは、声帯で作られた小さな喉頭原音が、咽頭(口の奥)を通り、口と鼻を通り、その間にどれくらい響きが増幅されるか。これの効率を言います。

 

これらが、少ない呼気で響があるいい声を作るのに必要な条件となります。

 

 

 

発声はパワーではない

小さな子供や赤ちゃんも、自分が気に入らない事があるとものすごく大きく、響く声で泣きます。これこそが、発声はパワーではない。という事の証拠になるのではないでしょうか。

 

赤ちゃんは、横隔膜や発声の時に使う筋肉が発達しているのか?といえば、そんなわけありませんよね。むしろ成人した大人よりも筋肉は小さく、柔らかいでしょう。そうであっても、大きくハリのある声で自分の主張を強く発する事が出来ます。

 

幼少期の声帯は、柔らかくしなやかである為、振動しやすいという特徴はありますが、それにしてもそもそも備わっている声帯は大人のそれよりも小さい。にも関わらず、あれだけ大きくしっかりと響く声が出せるということは、声帯が合わさりしっかり振動すると、余計なエネルギーを使わずとも豊かな声量を生み出すことが出来る。という事の証明になるのではないでしょうか。

 

 

出来るだけ楽に、効率よく声を出そう

長時間疲れることなくハリのある声で歌うには、必要最小限のエネルギーを効率よく使う事が大切になってきます。

 

とても魅力的な声を出せていたとしても、それが30分も持たないとなると、ブッキングライヴであっても最後の方になると声が枯れる・・なんて事になりますよね。またはその逆で、長持ちしたとしても弱々しく魅力的ではない声であるのも、人前で歌う意味がないと思います。

 

つまり、これらの要素が両方揃っている必要があると言えます。魅力的であり効率的な声を出し、枯れないスタミナのある声が理想的です。ボーカリストはここをも目標とする事が望ましいでしょう。

 

この2つは、どちらか1つを選ばないといけない訳ではなく、内容の充実したボイストレーニングで両方とも手に入れることが可能です。

 

 

声帯をよく鳴らすには、リラックスが一番大事!

先ほども記載したように、声帯は、二枚合わさっていることで振動し、喉頭原音という声の元になる音が出ます。もし、2枚の声帯の間がキチンと閉じておらず、隙間が空いていると、そこから息が漏れて、呼気の無駄遣いになるし、音量も小さくなります。

 

では、声帯同士二枚のヒダを力任せに閉じれば大きな声が出るのか?と言えば、そうでもありません。声帯は振動する事で音を作る事が出来ますので、余分な力みのせいで声帯の粘膜波動が邪魔され、効率的に音が出なくなってしまいます。

 

また気を付けて頂きたいのが、喉頭の力みのせいで声帯が傷付いたり、2枚のヒダが噛みあわさならくなる事もあります。

・声帯が合わさる為に→リラックスが必要

・声帯が効率良く振動する為にも→リラックスが必要

となります。

 

とにかく、歌は様々な側面で”脱力”が大切になってきます。歌をうまく歌うに当たっては、この”脱力”が最も大切。と言っても良いでしょう。

 

 

 

楽器と同じ

私が昔バンドを組んでいた時、ギタリストのメンバーがギターレッスンの指導もしていました。「ギターはコツってあるの?どんな風に教えてる?」と聞いたことがあります。その時に教えて頂いたのは、”右手はとにかく脱力させる”との事。(右手は主に弦をおかき鳴らす側です。)脱力していないとリズムがずれるし、音も響かないんだそうです。

 

確かに、一流ミュージシャンの演奏を聞く限り、指や手首に力を入れて、力任せに音を出している様には見えません。むしろ高齢になっても尚素晴らしい演奏をしている方達は、至って軽やかな指使いで楽器に触れているのが、素人の私から見ても容易に理解出来ます。

 

この事柄からも分かる様に、声は勿論、楽器演奏であってもリラックスが重要です。”声帯”という楽器は、体の中にあるので加齢によって楽器の形が変わったり、体調や外的要因によってメンテナンスを工夫するなど、通常の楽器とは違った扱いをしなくてはならない面もあります。

 

ですが、リラックスを重視した発声を心がける事により、良い声を保ち、長い期間をしなやかに歌い続けることが出来るでしょう。

 

 

まとめ

発声する時に、喉や声帯がリラックスしている事の重要性はお分かり頂けたでしょうか?喉やアゴに力を入れて発声する事が癖になっている人は、なかなかその癖が取れないと思います。

 

その様な場合は、リップロール(唇をブルブルと震わせる)を、練習の合間に何度も取り入れていきましょう。女性であれば、リップロールをしながらC4からオクターブ上のC5を行ったり来たりするのを3回位繰り返し1セット×4回行って下さい。

 

唇と唇が振動する事により、咽頭から喉頭、声帯にかけてマッサージ効果が望めます。

 

 

今日の記事を参考に、是非しなやかに強い声をぜひ手に入れて下さい。本日も最後までお読み下さりありがとうございました!

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