こんばんは!
太くて豊かな響きを持つ声は、存在感があり魅力的ですよね。特にゴスペルやジャズなど、黒人発祥の歌を歌う時は、軽やかで明るい声よりも、深みや温かさのある声が求められます。
口先だけで話せてしまう日本語を母国語に持つ私たちは、他の国に暮らす方達よりも声が小さいです。大きく・深く・響く声で話す事に慣れていないのですね。ですから、こう言った声を出すにはトレーニングや知識が求められます。
と言う事で今日は、太い声を出す為のコツやトレーニング、知識などをご紹介して行きたいと思います。
まずは、太い声や音は、どんな条件が揃うと出るものなのか確認して行きましょう。
目次
太い声、深い声のしくみ
一度、”声”から少し離れて考えてみましょう。
トランペットとチューバ
トランペットはとても高く軽やかな音が出ますね。楽器の大きさはどうでしょうか?少しイメージしてみて下さい。女性が片手で持ててしまうほどコンパクトで軽いですよね。
ではチューバは如何でしょうか?とても低く分厚く太い音が出ますね。オーケストラや吹奏楽の縁の下の力持ち、重要なベースの音を担当しています。楽器のと大きさはとても大きく重く、そもそも女性のプレイヤーはあまり見かけません。
体の空洞を大きくする
では人間が実際に太く、深い声を出したい時も、この楽器の原理に則って考えます。
人間の身体は楽器と違い柔軟に形を変える事が出来ます。この性質を用いて、深い声を出す時には身体の空洞を大きくする様トレーニングします。具体的にどこを開いて行けばよいのでしょうか?
・口の中
・喉の奥
・肋骨
・横隔膜
この4つの器官を開いていく事をトレーニングして行きましょう。
胸を開けるトレーニング
肋骨を広げ、横隔膜の動きをよくするトレーニングです。
ストレッチから
①壁に対して横向きに立って下さい。
②肘から指先にかけて壁に密着させて下さい。
③壁側の足を一歩前に出します。
④そのまま一歩前に出した足に体重を乗せて行きましょう。
⑤反対側の腕を使って同様にストレッチして行きます。
胸の筋肉がグーッと外側に引っ張られていくのがわかると思います。現代人がパソコンを触っている時間はなんと平均12時間。スマートフォンなどを合わせるともっと長時間機械に触れている事になります。
スマホやPCを触る際はついつい猫背になり、肋骨が内に入り肺が圧迫されます。この姿勢のまま発声しても豊かな響きは産まれません。まずは肋骨を広げ肺を解放してあげましょう。
肋骨を持ち上げるトレーニング
ストレッチが終わったら、次は肋骨を広げる感覚を捉えて行きましょう。
①壁の角を見つけ、両手を肩の高さ位で手を壁につけて下さい。
②肘が90度に曲がる程度に近付きます。
③この状態で、お尻の穴を締めてお腹を使って息を”S”スーーーっと吐いて行きます。ギュウギュウ力を入れず、フワーーっとお腹を凹ませます。
④息が残り少なくなっても、肋骨が広がった状態をキープして下さい。
⑤限界まで吐いたらお腹の力を緩めます。自然と深い所まで息が入って来るのが分かります。
強制的に肋骨を開いた状態を保てるので、息を沢山取り込む事が出来て、吐いていく時に首や声帯に余分な力が入らない。という理想的なポジションが作れます。
遠吠え
動物達は、雄大な自然の中で生活しています。その中で、離れた場所に居る群れの仲間と声でコミュニケーションをするなら、広い平野や山間部を突き抜けて届くしっかりとした声で鳴く必要があります。
そんな動物達の遠吠えを真似して発声練習をしてみると、喉の奥・口の中を大きく開ける良い練習が出来ます。
①鏡を使いましょう。顎をまっすぐ下に落とし、縦に指3本が入る様に開けます。軟口蓋(上顎の柔らかい部分)を鼻の裏にくっつける様な感覚でグッと上に持ちあげます。
②その口の形で「ウォーーーーゥ」と、狼の遠吠えの様に発声します。顎をローリングさせましょう。
③ピアノでドミソミドを鳴らし、低い声から高い声まで発声します。
④鏡で常に顎の状態をチェック。(顎が奥に入って喉をつぶしていないか?指縦3本分空いているか?喉の奥が縦に開いているか?)
顔を上げ下げしない
この遠吠えトレーニングをする時は、顔をガクガク上下に動かさない様に気をつけましょう。胴体と首をくっ付けて一本筒が通っている様に固定します。
”吐く”トレーニング
舌を出そう
初心者が声を出す時、舌が邪魔になって声が前に飛ばない事が多々あります。舌を思いっきり口の外に出して声の通り道を作ってあげましょう。
舌根という、舌の付け根が喉の奥の少し手前にあります。そこを前に出しましょう。初めは硬くて舌を出し続けるのがとても辛いのですが、何度も繰り返すとだんだん柔らかくなり容易になります。
舌出しボイトレ
舌をベロっと前に出した状態で先程と同じ様にドミソミドの音階で発声してみましょう。痛くて大変かと思いますが、休みながら低音から〜高音域まで出していきましょう。
この時も鏡で喉の奥がつまっていないか、軟口蓋が上がっているか確認しながら行いましょう。
舌の上に卵が乗る様な形で喉を開きます。舌を出した時の声と引っ込めた時の声が同じになる様に。鼻の裏に軟口蓋をつける様な感覚を保つと軟口蓋を上げやすいですよ。しっかり軟口蓋が持ち上がっていると、喉の奥に管が出来て涼しく感じます。
実践では、ボイトレの時と同じくらい口を大きく開けると不自然な発音になります。口の中のスペースを大きく取る事を普段のボイストレーニングで下意識まで落とし込み、どんなステージでも口の中のスペースを大きくとった状態で歌える様になる事がゴールです。
体の力を抜く
忘れてはいけないのが、肋骨を持ち上げた腹式呼吸ですね。これらのトレーニングの最中も、常に肋骨は高いポジションでキープしましょう。他の部位は全て脱力です。
因みに軟口蓋がしっかり持ち上がった状態で発声練習をすると、少ない息の量でもしっかり共鳴を作る事が出来、響きのある太くて良い声を出す事が出来ます。
まとめ
如何でしたか?太い声とは何か特別な体の大きさやパワーが必要な訳でもなく、しっかり体の中に共鳴するスペースを作ってあげるなら、か細い女性でも実現可能です。
今日ご紹介した体の使い方を何度も何度も何度も繰り返し練習して下さい。あなたがステージで歌う時、自然と体や喉が開いて歌い始める事ができるレベルまで!繰り返し練習をしましょう。
歌の上達には、とにかく”繰り返し”が大切になってきます。
本日も最後までお読み下さり誠にありがとうございました!
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