こんばんは!
あなたがゴスペルやR&B、ジャズややブルースなど、黒人文化が発祥の音楽を歌う時、なんだか原曲に比べて自分の歌が平べったいなー・・なんか野暮ったいな〜と感じる事はありませんか?
それは恐らく、あなたの歌に”グルーヴ”が生まれていないからです。とはいえ、グルーヴとは目に見えて分かる何かでもなく、とても捉えどころがない上にどうやって手に入れたら良いか、方法も検討がつかない。と言う日本人がほとんどだと思います。
はっきり言って恐縮ではありますが、日本人はリズム感が悪いです。悪いと言うより、”洋楽を歌うに適したリズム感を持っていない”と言う表現が正しいかもしれません。
では日本人がグルーヴを養うにはどうすれば良いのか!?私自身も初めは農耕民族らしい、野暮ったいリズム感しか持ち合わせていませんでした(笑)そこから如何にして本格的な黒人グルーヴを身に付けてきたのか。実際の体験談も踏まえて解説して行きますね。
原因
文化的背景
日本人はもともと農耕民族として文化的背景を持っています。私たちの祖先は畑へ鍬を持って出かけ、そこで仲間と『ハ〜 イヤコラサッサ!』と声を掛け合いながら日々の畑仕事をこなしてきていました。このリズム=4拍子の表打ちと言いますが、これは現代に生きる我々にも脈々と受け継がれており、血肉として私たちが持って生まれたリズムであります。
従って、強弱や躍動感のあるリズムに乗る事が、DNAレベルで苦手。というのが、悲しいかな日本人の特性であります。
狩猟民族
それに対してアメリカ等英語圏は主に、祖先たちは狩猟民族として生きていました。彼らは馬に跨り、狙いの獲物たちを追いかけ銃で仕留めそれを日々の糧として食していました。
この馬がパッカパッカと駆ける、躍動感溢れるリズム=シャッフルと言うリズムは(三連符の中央の音符が後ろの音符に片寄ったもの)、特にブルースやジャズやゴスペルで軸となるリズムで、習得無しにはまともな演奏は出来ないと言われる程、主要なリズムとなっています。このリズムも日本人と同様、英語圏の人々には脈々と受け継がれています。
また彼らが使う英語(特にアメリカ英語)自体にも、リズムが存在しています。日本語とは違った明確な強弱アクセントがあり、日常的に使う言語からも彼らはグルーヴを生み出しやすい環境下にあると言えます。
シャッフルとはこんなリズムです。↓
日本の美
まるで日本のリズムがダサくて、海外のリズムがカッコイイ。と聞こえる様な書き方になってしまいましたが、そうではなく、この平坦さが、他の国にはない日本の”間”を芸術とする静寂な美の価値観に繋がっていると思います。
日本の花道や能の世界では、何もない空間をあえて作り出し、それを味わう事が醍醐味とされています。言動など明確なコミュニケーションツールを使わずとも、何かを感知できる日本人のこの感性はとても素晴らしく、これこそ、海外の旅行客を感動させるおもてなしの心や、気遣い、侘び寂び、奥ゆかしさの元となり、”Japanease beauty”を作り出しているのだと思います。
グルーヴの正体?
定義はない
ウィキペディアでも実は、グルーヴの定義ははっきりしたものが提示されていません。以下引用ですが、この様な文章で纏められています。
『グルーヴ(groove)とは音楽用語のひとつ。形容詞はグルーヴィー(groovy)。ある種の高揚感を指す言葉であるが、具体的な定義は決まっていない。語源は(アナログ)レコード盤の音楽を記録した溝を指す言葉で、波、うねりの感じからジャズ、レゲエ、ソウルなどブラックミュージックの音楽・演奏を表現する言葉に転じた言葉である。現在は、素晴らしい演奏を表す言葉の1つとして、ポピュラー音楽全般で用いられる。』
例えるなら
私も初めは日本人らしい”ド”農民的な表打ちリズムしか持っていなかったので、こんな説明を受けても頭の中は???という状態でした。
ですが、理解できる様になった今は、確かにグルーヴ感とは”波やうねり”という表現は正しいと思います。
又は、”点と点を繋ぐ線”とも言えるでしょうか。ここで言う”点”とはつまり”音符”のことです。音符と音符の、楽譜上では何も指示のない空間をどの様に演奏するのか。音符と音符の間を詰めて演奏すれば疾走感が出ますし、逆にギリギリの所まで音譜間を広げて演奏すれば、ゆったりしたグルーヴとなります。
これをバンド全体で揃える事で生まれる一体感。がグルーヴではないかと思います。
私の中では縄跳びの様な感覚でもあります。知り合いのギタリストは、「グルーヴは円を描いている」とも言っていました。
現在も過去にもグルーヴをどの様に人が感じ取っているのか。について、国内外で研究されてきましたが、やはり文面で理論的に把握するよりも、実際にグルーヴ感満載の一流ミュージシャンの楽曲をたくさん聞いて、体得していく事が1番の近道ではないかと思われます。
改善策は?
日本人が持って生まれたリズムも独特の”美”の価値観も素晴らしいのですが、これを持ってしてはどう頑張っても洋楽のグルーヴ感には追いつけません。ですので、洋楽を歌うためにはまず、実際にグルーヴィな楽曲を沢山聞いて、そのリズムをインストールしていきましょう。
では実際に私が特訓してきた方法をご紹介します。
その①
一番にして頂きたい事は、身体を“SWay”させる事。これはSwing=揺らすの意味のスラングです。
まずは、この人達の真似をして身体を音楽に合わせて揺らしてみて下さい。何度も何度も繰り返して下さいね。実践あるのみ!!頭で考えるよりまずは身体を動かしてみましょう!
かっこいい!めっちゃイケイケですがこれもゴスペルなんですよ。彼らの足の動かし方(ステップ)と、肩と首をどんな風に揺すっているのかを見るといいですよ。肩で円を描きながらグルーヴを感じているのが見えるでしょうか?
この曲では2拍の裏打ちのリズムで、ゴスペルの伝統的なリズムを使っています。足を使ったダンスなのですが、これも昔からあるリズムの感じ方ですね、アメリカや英語圏ならではの取り方です。足を中心に身体全体でリズムを取っていいます。よく見てマネして下さい。
その他ジャンル問わず、お勧め曲を列挙しておくので、隙間時間にかけならがどんどんSWAYしていきましょう!
・名ダンサーでありキングオブPOPといえばこの人!
・この人の歌がリズム感バッチリな理由がこの動画から分かります。
・しなるように力強く女性らしいビートの取り方はこの人が一番おすすめ!
・日本では芸人的なポジションですが、彼の実力は素晴らしいですよ。ビヨンセのバックダンサーも勤めておられました。最後の方にゆっくり解説もしてくれてるので良動画です。
・黒人音楽のルーツを辿るとここに辿り着きます。彼らこそが源流なので、ここは抑えておきましょう。
一旦まとめます。
私が過去にゴスペルグループを指導していた時1番に思ったのは、「皆なんでこんなに動けないんだろう?なんてノリが悪いんだろう・・何でこんなに直立不動で歌うんだろう?それでゴスペルになる訳無いやん・・」と言う感想でした。
日本人は基本的に、リズムや音楽に合わせて心地よく身体を揺らすことにめちゃくちゃ慣れていません。
『一見見分けがつかないアジア人が集まったとしても、クラブに行けば日本人は一発で分かる。』と言われている位日本人は音に身体を預けるのが下手くそです。
逆になぜ英語圏の方達は音楽の素人であってもカッコよくswayする事ができるのかと言うと、言語的にリズムが存在している部分、小さい時から耳に入る音楽がグルーヴィであると言う部分に合わせ、日常的に歌ったり踊ったりする機会が日本に比べ非常に多いからです。
ご存知の方も多いと思いますが、欧米の方達はとってもパーティー好きですよね。赤ちゃんからおじいちゃんおばあちゃんになってからでも年代問わずパーティーが日常の一部となっています。パーティー好きなアメリカ人なら週1ペースでしていますよね。(笑)みんなで集まって音楽をかけてお酒を飲みながら身体をSWAYさせる。単純にこの機会が日本人よりも多いのです。
だから私たち日本人は、彼らとの差を埋める為に同じくらい量をこなす必要があります。日常的にグルーヴィな音楽を掛けて、食器を洗いながら、料理しながら、歯磨きしながら、洗濯物畳みながら、身体を揺らしましょう。まずはそこからです。
台所でみんなが歌い出します。↓
歌にグルーヴ感を出していく方法は続編にて書きますね。↓
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